何気ない日常生活を思い切り楽しむ!「行事化」のススメと、サンデー・ローストの由来

相変わらず家で過ごすことが多いこの状況下で、日々の生活にときめきを保ち続けるために私が意識していることの一つが、「行事化」です。そしてできればこの行事に名前をつけること。

例えば、「週末は必ず一本映画を観る」とか、「水曜日はマフィンを食べる」とかなんでもいいので、自分が楽しみにできることを1週間、あるいは1ヶ月のリズムの中で「絶対にこの日にやる」と決めて、「行事化」してしまうのです。

私が2ヶ月ほど前から始めたのは、「土曜日の朝はパンケーキを焼く」です。題してSaturday Pancakes。平日は朝食をゆっくりとる時間ができないので、週末が始まる土曜日の朝は、コーヒを淹れながらゆっくり小麦粉と卵とミルクを混ぜて、パンケーキを焼きます。準備しながら、夫と週末やりたいことをリスト化したり、東京にいる母とライン通話したり。

丸いパンケーキをフライパンでひっくり返していると、「ああ、週末だなあ」と感じるまでになりました。ちなみにこの習慣を始めた頃はクレープのような薄いモチっとした生地を焼くことに凝っていたのですが、最近は帝国ホテルのホットケーキのような、ちょっと厚めに焼くのがブーム。今日は熟れたバナナを潰して生地に入れてみたら普段よりもふわふわに仕上がりました。

今度は、子どものころ憧れていた絵本「ぐりとぐら」に出てくるようなカステラ風のパンケーキを作ってみたいと思っています。

ぐりとぐら ぐりとぐらの絵本

ただのパンケーキでも、敢えて決まった日に作ることで特別感が増しますし、生活のリズムにもなります。夫も、「美味しそうなジャムを見つけたから今度のSaturday Pancakeで試そう」とか、「Saturday Pancake用にメープルシロップ買わなくちゃ」などと言うようになり、楽しみにしている様子。

思えば、私の母がこうした「行事化」がうまい人なのです。私が幼い頃から、ちょっとしたことにいちいち名前をつけて新しい遊びを開発しては「今日は〇〇しようか!」と毎日を盛り上げてくれていました。普段は「頭が悪くなるから」ということで基本的に「テレビは付けない、つけても1時間」というルールがあったのですが、年に数回敢えて「今日は一日ずっと頭に悪いテレビをいくら観ても体に悪いお菓子を食べても良い日」という日があって、この日はテレビが解禁されるのでそれはもうドキドキしながらディズニー映画をループで観まくったのも良い思い出です。また、夜にちょっと外出して買い物すること(例え行き先がコンビニであっても)を「シンガポールごっこ」と呼んでイベント化したり(昔シンガポールで夜買い物を2人でして楽しかった瞬間の思い出が蘇るのです)、週末にちょっとオシャレしてお出かけすることを「アバクル」と呼んで(理由は省略)週末の楽しみにしたりと、何気ない日常の一コマを行事化して、名付け、特別な思い出に変えてくれるのが得意なのです。

About Timeという映画のなかで、毎週必ず金曜日の夜は庭にスクリーンを出してきて家族全員で映画鑑賞をするというシーンがあります。晴れの日はもちろん、雨の日は傘をさして、わざわざ外で映画鑑賞する。わずか数秒のシーンなのですが、私はこの一瞬に、この家族の深い絆と人生を楽しむヒントを感じます。

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~ (字幕版)

お庭がある家に将来住むことができたら私も、金曜日は庭にシーツを張って、家族で映画鑑賞をするという行事を採り入れてみたいです。

ちなみに、イギリスでは「金曜日はフィッシュ・アンド・チップスを食べる」と「日曜日は家族でサンデー・ローストを食べる」といった習慣が広く浸透しています。

なんでもサンデー・ローストはなんと15世紀後半ごろから始まった習慣なんだとか!当時の統治者であったヘンリー7世が大の牛肉好きで、城の衛兵たちに炭火でじっくりローストした牛肉を沢山食べさせて労っていたところ(今でもロンドン塔 Tower of Londonを訪れると会うことができるこの衛兵の末裔たちは、ずばりBeefeater「牛肉食い」という愛称がついています!)人々がこれを真似て、日曜日の朝に教会に行く前にオーブンに肉の塊を放り込んでおいて、ミサが終わって帰ってきた頃にはじっくりと低温調理されている美味しいローストを家族皆で囲うようになったとのこと。。今では日曜日にミサに参加する人は殆どいなくなっても、ローストをパブや家庭で囲むという習慣だけしっかり残っているのですね。イギリスで日曜日にパブやレストランに行けば必ずチキン・ビーフ・ポーク等のSunday Roastメニューが2−3種類は用意されていて、結構美味しいので、お試しあれ。

一方、金曜日にフィッシュ・アンド・チップスを食べるのは、キリスト教の影響とかユダヤ教の影響とか諸説あります。Waitroseなどのスーパーでも金曜日はFish Dayということで魚が安売りされているし、職場のCanteen(食堂)でも金曜日はしっかりFish and Chipsがメニューに載ります。夫が通っていた小学校でも毎週金曜日はフィッシュ・アンド・チップスが出たとのこと。詳しく聞こうとすると「理由は知らないけど金曜日は魚の日だよ」と参考にならない答えが返ってきました(笑)。

逆に日本は四季がはっきりしているせいか、週単位というより、七夕やお月見など季節の移ろいを感じる行事が盛りだくさんありますね。

このコロナ禍におけるStay Home期間中、日々の生活を楽しむために、自分なりの新しい行事を作ってみてはいかがでしょうか?

Author: tomimunch

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