コロナ禍 コロナウィルス ロックダウン中のイギリスの現状:ロンドン駐在員の実感①

コロナウィルスによる死者数が1万2千人を超えたイギリス。ロンドン在住者としての状況の実感について、お届けします。

  • マスクをしている人率:街で見かけるマスクをしている人率はだいたい半々、といった印象です(ロンドン中心部、Post Code SW周辺)。これでも、マスクをする習慣がこれまで全くなかったマイペースな国民性を踏まえるとかなりの進歩です。イギリスは個人主義というか、他人の装いに我関せず(一言で言えば頑固!)、な文化が根強いので、「周りがマスクをしているからする」または「誰かに言われたからする」というような思考回路にはならず「本人が本当に必要だと思えばしている」という感覚の方が近いので、マスクの有効性を信じていない人がまだまだいるのでしょう。また、日本ほど他人の目をあまり気にしないので、バンダナやタオルを巻いている人やタートルネックのセーターを伸ばして口元を隠している人、ビニール袋を巻きつけている人などかなり自由で怪しい格好をしている人がたくさんいます。
  • スーパーなどの品揃え:ロックダウン直前は品薄状態が続いていましたが、今は大抵のものは揃います。消毒液・ジェルなどはいまだに手に入りくい状況が続いています。あとは何故か小麦粉とイーストがどこのスーパーに行ってもありません。おそらく時間を持て余している(そしてパン屋に行けない)国民がいっせいに自家製パンを作り始めたものと思われます。
  • 「三密」をきちんと避けているか:この点は徹底しています。ほとんどの企業が在宅勤務に切り替えるか休業しており、水道工事なども必要最低限に抑えているとのことです。街中には基本的に生活必需品を買いに行く人か、一日一回30分程度許されている屋外の運動をしている人しか出てはいけないことになっていて、警官がこれを監視しています(罰金制度が設けられていますが、多くの場合は口頭の注意でとどまっているようです。パトカーと馬に乗った騎馬警官が結構ウロウロしています)。スーパーと薬局以外の全ての店舗、レストラン、娯楽施設は閉鎖されているので、外出する理由自体がありません。スーパーも入場制限をしていて、外で待つ列も全員2メートル以上間を開けています(むしろ間を開けすぎて行列に見えなくてややこしい)。
近所のスーパーに並ぶ人たち。間隔をかなり開けています。
  • 経済政策:財務大臣のRishi Sunakが頑張っており、かなり早い段階で大胆な経済政策を打ち出していると思いますが、ドイツなどと比べると対応が遅い実感です。
  • 助け合い、励まし合いの精神:イギリスで最も素晴らしいと感じている点です。医療関係者をはじめとする「Key workers」(運輸関連やスーパーの店員、警察など在宅勤務という選択肢が与えられない重要任務についている人たち)に対して、政府と国民一人一人が可能な限り最大限の感謝の意を示そうとしているという気概を感じます。ジョンソン首相は毎回のスピーチで感謝の言葉を繰り返していますし、イースター直前(本人入院中)にも全国民宛に首相の名前で手紙を送付しYou MUST stay at homeのメッセージと共に感謝の言葉を繰り返しました。スーパーに行く途中でも窓に”Thank you NHS (National Health Service)!” のメッセージを貼り付けている家を多く見かけますし、毎週木曜日の感謝タイム(窓を開けて拍手する)では、町中に拍手喝采が鳴り響きます。これは毎回実際に耳にするたびにジーンと鳥肌が立ちます。コロナ患者のICUを担当するイギリス人医師の親戚は、「病院に食糧や応援メッセージがひっきりなしに送られてくる。これほどまでに人に感謝の気持ちを示されたことはない」と言っていました。イギリス人は暗いシチュエーションを自虐的な冗談に変えるという特技(?)も持っているので、街に悲壮感が漂っている感じはしません。

何故かロックダウンが始まってから示し合わせたように毎日天気がよく、外に出たい誘惑と戦う日々ですが、とにかく家で栄養のある食事をして適度に運動して、健康第一で過ごしたいと思います。皆様もくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

Author: tomimunch

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